塗装環境による塗装不良への対策2|湿度、強風
前回に引き続き塗装環境による塗装不良への対策。今回は湿度の影響による対策と、強風による砂埃に対する対策についてお話します。
湿度による影響への対策
湿度が高すぎる場合、塗膜内に水分や気泡が閉じ込められ、かぶりや白化など塗装不良の原因となります。また、湿度が低すぎる場合は、静電気が発生しやすく、ゴミ異物不良の原因、場合によっては、静電気による火災の危険性も出てくるので注意が必要です。
対策
1 湿度を下げる工夫
エアコンや除湿機を設置し、湿度を適切な範囲内にする。乾燥機の熱を利用して湿度を下げるのも有効。
2 湿気によるかぶり対策
かぶりなどの現象は塗膜表面に水分が閉じ込められてしまう現象なので、乾燥の遅い希釈溶剤を使用するなどで対策出来ます。製品自体を温めてから、または温めながら塗装するのも有効です。
3 湿度の上昇を抑制
工場内の換気を向上させ、湿度の上昇を抑制します。
4 湿度をあげる工夫
場内に水をまいたり、空気中に霧吹きをかけ、湿度の上昇を助けます。
強風による砂埃への対策
外部天候が強風などで砂埃の影響を受ける場合、塗装不良の原因であるゴミ、異物の付着が多数発生します。
対策
吸気のルートを見直す
塗装ブースへの吸気ルート、風の流れを確認し、フィルターの設置やレイアウトを変更することで不具合を減らします。
まとめ
それぞれどの問題においても、それぞれの会社・工場に適した基準値を儲けることが必要です。
例えば作業環境温度の上下限、湿度の上下限を設定し、その範囲内で作業することとし、時には作業を中断するなどの対応も必要です。また、様々な塗料を扱っているため、使用する塗料の特性を理解することも必要。初めて使用する塗料や製品の場合は、年間を通して作業を行ってみないとわからないことも多く、条件設定には非常に時間がかかります。
塗装作業は作業者の経験値や熟練度合いなど、数値化できないものが多々あります。そのため、作業者の経験や判断力、アイデア力が必要になり、それが作業効率や品質に繋がります。この点が塗装の奥深く、興味深いところと言えるでしょう。
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