塗装の付着性を高める方法
塗装の付着性を高めることは、塗膜の性能向上に影響する重要事項です。
私たち技研グループに塗装依頼がある素材には、様々な材質の種類があります、そのままでは塗装が出来ない素材でも、前処理を行うことで塗装を可能にするケースが多くあります。
今回は塗料の素材への付着性を高めるためにどんな方法があるのか、塗装前の処理の種類について簡単にご紹介していきます。
素材を薬品槽に浸漬させて行う化成処理。
1 プライマー塗装
上塗り塗装の前に、素材と塗料の両方に相性の良い塗料をスプレーガン等を使用し塗装します。塗装の設備があれば出来る前工程です。プライマー塗装には付着性を上げる目的もありますが、塗料に防錆力を持たせたり、色のついたプライマーを使うことで上塗りの発色性を上げる目的もあります。
2 ブラスト処理
素材を目荒しするのが目的になります。粉状の粒子をエアーの力を使って素材にぶつけて表面を荒らします。塗装の種類に合わせて表面の粗さを設定したり、素材により、ブラスト剤を選定し処理を行います。ブラスト材の種類にはセラミック粉や樹脂など様々なものがあります。
3 化成処理
酸やアルカリなどの薬品を使った処理で、主に金属製品に対して行います。素材を薬品槽に浸漬し、化学反応を用いて表面を改質して、塗料の付着性や防錆力を高めることが可能になります。リン酸鉄被膜処理、リン酸亜鉛被膜処理、クロメート皮膜処理などがあります。
4 その他、電気やガスなどを使った処理
ほかにも、特殊なガスとバーナーを使用し素材表面を改質するフレーム処理や、電気のコロナ放電を使用したコロナ処理、プラズマを使用したプラズマ処理など、少し特殊な前工程があります。
繰り返しになりますが、プラスチックや金属など、どんな素材でも塗装をするにあたっては、使用する塗料の素材への付着性は塗膜の性能に大きく関わってくる非常に重要な項目になります。高品質な仕上がりのためには、塗装する製品の用途やスペックに応じて、塗装前の処理工程を選定して行く必要があります。
技研グループでは使用環境や用途をお伺いし、様々なご提案させていただいております。お客様のご要望に応じた塗料の選定や、塗装工法のご提案などを積極的に行っています。
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