潤滑塗装|塗装で潤滑性能 = オイルやグリースが不要
潤滑塗装や潤滑コーティングは、さまざまな分野、用途で使われています。潤滑性能を塗装をすることで、オイルやグリースを使用することなく、製品の摩擦を軽減させることが可能になります。
部品の摩擦や摩耗は、製品の寿命や性能に大きくかかわる場合も数多くあるため、塗装をすることで部品の耐久性や、製品の性能を向上させるのに役立ちます。以下に具体的な特徴や用途をいくつか挙げてみますので参考にしてみて下さい。
潤滑塗装の種類と特徴
潤滑塗料は主に以下の3種類に分類されます。
1)固体潤滑塗装 〜 ほんの少しの力でスライド
高い潤滑特性を持つ固体成分、例えばモリブデンジスルフィドやグラファイトを含む塗料を使用した塗装です。高荷重や高温などの過酷な環境で使用されることが多く、そのメカニズムは、固体潤滑材が形成する微細な層状の構造を持っており、各層間は弱い力でつながっています。そのため、ほんの少しの力で層がスライドし、相互に動くという特徴を持ちます。この「層間スライディング」が、物質の低摩擦特性と高い潤滑性を生み出しています。
固体潤滑塗装の施工例/ギヤ
2)バインダー型潤滑塗装 〜 固体潤滑材との組み合わせが重要
バインダーの存在により固体潤滑剤が素材とより強固に密着し、一貫した塗膜を形成できます。その結果、塗装の耐久性と性能が向上します。バインダーは塗料の付着性を向上させ、複雑な形状や曲面への製膜を容易に出来るのも特徴です。しかし、塗装の乾燥や硬化に適切な時間と条件を必要とするため、使用環境に応じて適切なバインダーと固体潤滑剤の組み合わせを選択することが重要になってきます。
バインダー型潤滑塗装の施工例/ガスケット
3)ドライフィルム潤滑塗装 〜 精密・複雑な形状の部品に
固体潤滑剤を細かく分散させた塗料で、乾燥後には薄い「ドライフィルム」が形成される塗装です。その主な潤滑のメカニズムとしては、ドライフィルムが形成する微細な層により、部品間の直接的な接触を防ぎ、摩擦を減少させます。薄く塗布できるため、塗装後の部品の寸法や形状がほとんど変わらず、精密な部品や複雑な形状の部品にも適しています。
ドライフィルム潤滑塗装の施工例/エスカレーター
潤滑塗装は、高温や真空、極低温など、液体潤滑剤が適用できない条件下でも良好な潤滑性の維持が可能です。さらに、フッ素樹脂などを使用したドライフィルムは非粘着性を寄与できるため、塵や汚れが付着しにくいという利点もあり、潤滑塗装の性能が長期間にわたり維持され、部品のメンテナンスが必要な頻度を減らすことも可能になります。
技研グループでは塗装加工に関して、お客様の使用環境や用途をお伺いし、様々なご提案させていただいております。ご要望に応じた塗料の選定や、塗装工法のご提案などを積極的に行っています。
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